2024.09.10 デザイン
【初学者向け】UI/UXの概念・違いとは
様々なサービスがWebサイトやアプリケーションを通して提供されるようになりました。操作性やデザイン、ユーザー体験の重要性が更に増しています。
そこで今回は「UI/UX」について、その概念や領域についてご紹介します。
目次
UI(User Interface)=ユーザーインターフェイスとは
UIとは「ユーザーと製品(サービス)の接触面を指す」ことです。
業種、業界、分野、それぞれによるニュアンスの細かい差異はありますが、UIを考える際の対象となる製品は「PC、お箸、センサー、音声、テレビのリモコン、スマホ」などがあります。
ギャレットの5段階モデル
制作のプロセスの中でUIがどの位置づけで存在しているか考える上で、ジェーシー・ジェームズ・ギャレットの「UXの5段階モデル」が分かりやすいのでご紹介します。
UXの5段階モデルとは、ユーザー体験を構成する要素を5つに分解したもので、戦略〜ビジュアルまで広い領域となっています。
一般的なUIとしては、上から「表層・骨格・構造」までがUIとさることが多いです。
良いUIの定義
良いUIの定義として、ユーザビリティで用いられる指標を考慮し、設計すると取り組みやすいと思います。
ユーザビリティの指標
- 有効さ=目的達成率
- 効率 =目的完了までの時間
- 満足度=アンケートでの結果
ヤコブ・ニールセンの5分解
- 学習のしやすさ→取説がなくても使用できる
- 効率性→使いやすさ
- 記憶しやすい→2度目の利用で迷わない(ATMなど)
- 間違いにくさ→クレカの入力画面など
- 主観的満足度→使って楽しいか
UX(User Experience)=ユーザーエクスペリエンスとは
UXとは、そのなの通り「Experience-体験・経験」を意味し、「ユーザーが製品、サービスを通して得られる体験」を指します。
サービスを利用する行動の中で、ユーザが感じた経験や生まれた感情は全てUXと考えて良いと思います。
Webで例えるなら、「商品購入までの流れが分かりやすかった」「お問い合わせフォームが使いやすかった」「お問い合わせ後の対応が丁寧だった」なども考えられます。
国際規格では、UXを次のように定義しています。
UXとは、製品、システム又はサービスの使用及び/又は使用を想定したことにより生じる個人の知覚と反応のことと定義されております。
国際規格「ISO9241-210」
良いUXの定義
良いUXの定義について、下記、3つの視点で考えることができます。
1つ目が「時間軸」です。これは、ユーザーがサービス・製品を使用する前、使用した後、数ヶ月使用した後など、どのように感じかを指しています。
2つ目は「環境」です。どのような場所で使用するのかを考えます。屋内、屋外、電車、教室、オフィスなど、場所により考慮すべき特性は変わってきます。
3つ目は「人間軸」です。どのような人が使用するか、その際に何を感じるのか、国籍、文化など、人に関わるあらゆる視点が求められます。
+αで、記事の前半でご紹介したユーザビリティも考慮することが大切です。
- 時間軸=使用の前後、長時間の利用
- 環境 =場所や状況
- 人間軸=人間の感性、多様性
- (プラスα:ユーザビリティ「有効さ、効率、満足度」)
ジョーダンの階層モデル
パトリック・W・ジョーダンは、「マズローの欲求5段解説」になぞり消費者ニーズを階層化したモデルを提唱しました。
各項目は下記の通りです。
- うれしさ(上段) :機能に加え、使いやすさが加わり嬉しい感情になる
- ユーザビリティ(中段):使い勝手が悪い機能はそれまで
- 機能性(下段) :機能がなければ何も始まらない
機能性について触れましたが、ブランドにも関係してきます。
例えば、使い勝手(ユーザビリティ)が悪くても、そのブランドが好きで愛着があり、身につけるだけで喜びに繋がる場合、これも良いUXに成り得ます。
逆も然り、使い勝手が良くても嫌いなブランドは使われないと思います。
このように機能性〜ブランドに至るまで、UXの定義は曖昧です。
UXについて考える際は、検討箇所を具体的にしないと判断ができません。
UI/UXの関係性
ここまで、UI/UXの特徴に触れましたが最後に双方の関係性についてまとめたいと思います。
UI=ユーザーと製品・サービスとの接触面
UX=製品・サービスを利用する中で得られる、ビジュアル(UI)を含めた全ての体験
上の図で分かりますが、UIはUXに内存するので「UI/UX」と表記されることが多いように思います。
(UIを考える=UXを考える)
それぞれの領域や範囲は異なりますがUI/UXは表裏一体のため、社内のプロジェクトでUIデザインの担当者、UXデザインの担当者は、互いの領域の知識、プロセスを理解することが大切です。
また、規模が小さいプロジェクトは一人でUI/UXについて考える場合もありますので、やはり両方の理解は欠かせません。