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2024.10.18 Webプロモーション

3C・STP・4Pとは?マーケティングフレームワークの使い方と手順を解説

ビジネスにおける経営戦略や課題解決に役立つ「フレームワーク」。さまざまな種類がありますが、代表的なマーケティングフレームワークとして「3C分析」「STP分析」「4P分析」の3つがあるのをご存じでしょうか。本記事では、これら3つのフレームワークの使い方や手順を解説するので、ぜひ参考にしてください。 

フレームワークとは、思考を整理するための枠組みのことです。マーケティングにおいては、課題の抽出・戦略立案・分析・検証・意思決定までを効率的に行うために用いられます。 

フレームワークを使用することで作業時間の短縮になるだけでなく、施策の選択や優先順位が明確になるのがメリットです。ただし、多数のフレームワークが存在するため、目的にあったものを選択しなければ期待している成果は上げられません。 

また、より明確な戦略を練るためには、複数のフレームワークを組み合わせて使用することも重要なポイントです。 

では、マーケティングにおけるフレームワークにはどのようなものがあるのでしょうか。数あるフレームワークの中でも、特に代表的な3C・STP・4Pについて説明していきます。

3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの要素で構成されたフレームワークです。元マッキンゼーの経営コンサルタント大前研一氏の著書「The Mind of the Strategist」の中で提唱され、広く知られるようになりました。

マーケティング戦略を立案するには、自社ではコントロールできない外部環境と内部環境の両方について把握することが必要です。3C分析では、市場・顧客・競合を外部環境とし、自社を内部環境として分析を行います。

STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の3つの要素で構成されたフレームワークです。セグメンテーションで市場を細分化して全体像を把握し、ターゲティングでターゲットとなる市場を選択、ポジショニングで競合との位置関係を決定します。 

STP分析は、競合との差別化によって市場でシェアを獲得するための分析に用いられます。 

4P分析とは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通・提供方法)、Promotion(販促活動)、の4つの要素で構成されたフレームワークです。マーケティング戦略の策定後など、具体的な施策を立てる際に用いられます。 

4P分析では、4つの要素をもとに製品・サービスの内容に見合った価格になっているか、それに適した販売方法かなど、それぞれの整合性が取れていることを確認することが重要です。 

今回紹介する3つのフレームワークを組み合わせる際は、3C→STP→4Pの順番に進めていくことがポイントです。まずはじめに、3C分析の進め方を説明していきます。

第一ステップとなる市場・顧客の分析では、市場規模や成長性、顧客ニーズや購買プロセスなどを分析していきます。具体的な手法としては、マクロ分析とミクロ分析の2つの方法が挙げられます。 

マクロ分析とは、市場全体の状況を理解するために行われるもので、「PEST分析」と呼ばれる手法を用いるのが一般的です。 PEST分析は、以下4つの要素で構成されます。 

  • Politics(政治):政治や政府の方針、政権の動向、自社に影響する法律や規制の変更など 
  • Economy(経済):景気や消費の動向、為替や株価の動き、経済成長率など 
  • Society(社会):少子高齢化、トレンドや消費者の志向の変化など 
  • Technology(技術):技術革新、インフラ整備、デジタル化やIT活用など

PEST分析では、自社を取り巻くマクロ環境を4つの視点で分析し、市場全体の動向や将来性を予測してマーケティング戦略に反映させます。 

一方ミクロ分析は、対象を自社環境の周辺に絞って行う分析です。代表的な手法としては、自社にとって脅威となる要因を分析する「ファイブフォース分析」があります。 

ファイブフォース分析を構成する要素は以下の通りです。 

  • 新規参入企業の脅威 
  • 代替品の脅威 
  • 買い手の交渉力 
  • 売り手の交渉力 
  • 業界内の競合 

ファイブフォース分析を行うことで業界を深く理解でき、自社の強みや課題の発見に役立てられるでしょう。 

顧客の分析では、顧客属性や購買履歴、購買行動の分析を行います。これにより顧客となるターゲット層を特定し、ニーズを把握することが可能です。アンケート調査や顧客と接点のある担当者に対してヒアリングを行うなどして、顧客ニーズなどの情報を集めましょう。 

ここでは、業界における競合の存在感や、競合企業の商品・サービスに対する分析を行います。具体的な分析項目は以下の通りです。 

【競合企業そのものに対する分析項目】

  • サービス・商品の特徴 
  • 開発力 
  • 資金力 
  • 宣伝力 
  • 販路 
  • 顧客数 
  • 収益や生産性 
  • 事業規模など 

【業界内での存在感に対する分析項目】

  • 業界内でのポジション 
  • 市場シェア・推移 
  • 影響力など 

競合の状況は常に変化していくため、定期的に分析を行うようにしましょう。 

最後に、自社の分析を行います。分析項目は、以下を参考にしてみてください。 

  • 商品・サービスの特徴 
  • 売上やシェア 
  • 資産・資本力 
  • リソースの状況 
  • 今後のビジョンなど 

自社の分析を行う際は「VRIO分析」を用いるのもおすすめです。Value(経済価値)・ Rarity(希少性)、 Inimitability (模倣困難性)、Organization(組織)の4つの項目を用いて、自社の市場における競合優位性を判断することができます。 

STP分析

次は、STP分析の進め方を見ていきましょう。STP分析は、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの3つのステップで進めていきます。

セグメンテーションでは、以下4つの指標を用いて分析を行います。 

  • デモグラフィック(人工統計的変数) 
  • ジオグラフィック(地理的変数) 
  • サイコグラフィック(心理的変数) 
  • ビヘイビアル(行動変数) 

また、Rank(優先順位)・Realistic(有効性)・Reach(到達可能性)・Response(測定可能性)の4つの視点でセグメントする「4Rの法則」も用いることで、より多角的な分析が可能となります。 

次に、狙うべき市場を選定します。ニーズや成長の見込みがあり、競合が少ない市場を選定するのがポイントです。 ターゲティングを行う際は、以下3つの視点から判断するとよいでしょう。 

  • 無差別型ターゲティング:年齢や性別に関係なく、同じ商品・サービスを無差別に市場に提供する方法 
  • 差別型マーケティング:複数の市場を選定し、それぞれの市場に適した商品・サービスを提供する方法 
  • 集中型マーケティング:限られた市場に対して、集中的に商品・サービスを提供する方法 

ターゲティングで選定した市場の中で、自社がどのような位置を狙えるのかを把握する工程です。競合他社の商品・サービスの価格や機能、品質などを調査し、自社製品と差別化できる点がないかを確認します。 

ポジショニングマップと呼ばれる表を活用することで、自社と競合他社のポジションを可視化しやすくなります。 

4P分析

最後に、4P分析の進め方を説明します。4PではProduct(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通・提供方法)、Promotion(販促活動)の4つの要素について分析を行います。以下で、詳しいやり方を見ていきましょう。 

Productでは、自社の製品・サービスの強みや特徴を洗い出します。自社の製品・サービスが顧客のニーズを満たせているか、競合他社と差別化できているかなどについて分析を行います。

製品そのものの特徴だけでなく、カラーバリエーションやパッケージデザイン、アフターサービスに関する内容などについても見ていきましょう。

Priceでは、自社の製品・サービスの価格について分析します。得られる価値に対して妥当な価格になっているか、競合他社の製品と比べてどうかなど、価格設定の妥当性を分析していきましょう。 

Placeでは、製品・サービスの販売場所や提供方法について分析します。ネット販売と実店舗どちらで売るのか、どの地域を対象とするのかなど、自社の製品・サービスの特性やターゲット属性を考慮しながら適切な提供方法を決めていきましょう。 

Promotionでは、販促活動に関する分析を行います。具体的には、どの広告媒体を利用してターゲットにリーチするか、製品・サービスの強みや魅力をどのようにアピールするかなどについて検討します。 

必要なコストなども踏まえた上で、自社の製品・サービスにとって最適なプロモーション方法を設定しましょう。

本記事では、マーケティングフレームワークの中でも代表的な3C・STP・4Pについて解説しました。これらは単独で使用されることもありますが、組み合わせることでより効果的なマーケティング活動が実現します。ビジネスの状況や目的に応じて適切に活用し、事業の成功につなげていきましょう。 

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