ライター
Sayuri Kakuya
2024.12.05 Webプロモーション
初めてのアクセス解析!サイト改善に必要な7つの基本ステップ
アクセス解析は、Webサイトの現状や課題を把握するのに役立ちます。しかし、実際にサイトの改善を図るには、どのような手順で進めれば良いか分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、アクセス解析の概要や目的、具体的な手順について解説するしていきます。
アクセス解析とは
アクセス解析とは、Webサイトに訪れたユーザーの行動や属性について、ツールを用いて分析することを言います。サイトの現状を正しく把握することで課題点を見つけ出し、改善へとつなげていくことができます。
アクセス解析では「Googleアナリティクス」というツールを利用するのが一般的です。Webサイトへのアクセス数を調べたり、PCやスマホにおけるアクセスの確認など、基本的な機能であれば無料で使うことができるため、多くのサイト運営者に利用されています。
Googleアナリティクス以外にも、さまざまなベンダーから有料のアクセス解析ツールが提供されています。高度な機能やサポートが必要な場合は、有料ツールを検討してみても良いでしょう。
アクセス解析でわかること
アクセス解析によってわかることは、主に以下の3つです。
- ユーザーがどこから来たのか
- ユーザーの属性
- ユーザーのサイト内での行動
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーがどこから来たのか
アクセス解析を行うことで、ユーザーの流入経路を知ることができます。代表的な流入経路としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自然検索流入(Organic Search):GoogleやYahoo!といった検索エンジンからのアクセス。
- 被リンクからの流入( Referral ):外部サイトに設置された自社サイトへの被リンクからのアクセス。
- SNS流入(Organic Social):X(旧Twitter)・Instagram・Facebookなど、SNSからのアクセス。
- 直接流入(Direct):URLやブックマークなどからのアクセス。
- 有料検索流入(Paid Search):検索結果上部に表示されるリスティング広告などからのアクセス。
Webサイトへの流入を増やすためには、流入経路に応じた対策を行いましょう。
例えば、自然検索での流入を増やしたい場合は、検索結果で上位に表示されなくてはなりません。そのため、キーワード選定や内部リンクの最適化などSEOに取り組み、質の良いコンテンツを提供することが大切です。
ユーザーの属性
アクセス解析では、ユーザーの年齢や性別、地域や使用しているデバイスなど、ユーザーの属性を確認することができます。
これにより、自サイトのターゲットが流入しているか、どのデバイスを使ってサイトを閲覧しているかなどを知ることができ、コンテンツやサイトの改善に役立てることが可能です。
サイト内でのユーザーの行動
サイト内でのユーザーの行動を知ることで、コンバージョン率の改善につなげることができます。ユーザーの行動を把握するには、Googleアナリティクスとヒートマップの2つのツールを併用するのがおすすめです。
ヒートマップとは、ユーザーの行動を視覚的に分析できるツールのことで、実際にクリックされた箇所やスクロール率などを確認できます。
Googleアナリティクスでサイト全体の傾向や課題点を把握し、ヒートマップでページ内での細かい動きを把握するといった使い方をすると、それぞれのツールの強みを生かした分析が行えます。
アクセス解析の目的
ここでは、アクセス解析を行う目的について解説します。
Webサイトの現状や課題を把握するため
Webサイト運営による成果が感じられないからといって、やみくもに改善に取り組んでも効果は期待できません。 Webサイトの改善を図るには、まず現状を正しく把握する必要があります。
サイトに訪れているユーザーがどのような人で、どこから流入しているのか、またサイト内でどのような行動をしているかなどについて正確に把握することで、具体的な改善策を打ち出すことできます。
目標の達成度合いを把握するため(モニタリング)
掲げた目標の達成度合いを把握することも、アクセス解析を行う目的のひとつです。これはモニタリングと呼ばれ、 Webサイト運営での目標に対する進捗状況を定期的に観測することを言います。
モニタリングによって中間地点での達成度を把握することで、目標達成に向けた追加の施策を検討することができます。
施策の効果を測定するため
アクセス解析は、施策の効果測定を行うためにも重要です。効果測定とは、実施した施策により、どの程度効果があったのかを知るために行います。
データを用いて検証することで、狙った通りの効果が出ているかを判断することができます。
アクセス解析ツールを使ってサイト改善を行う7つのステップ
ここからは、アクセス解析ツールを使ってサイトを改善するための具体的な手順を紹介していきます。
コンバージョン獲得に必要な導線を把握する
最初に、コンバージョン獲得に必要な導線を把握しましょう。コンバージョンとは、Webサイトにおける最終的な成果のことで、ユーザーによる問い合わせや資料請求、商品・サービスの購入といった行動のことを言います。
Webサイトでは、サイト内のさまざまな要素をコンバージョンにつなげられるよう配置する必要があるため、どのような導線でコンバージョンにつなげたいのかを明確にすることが大切です。
ユーザー目線で現状の導線をたどり、わかりにくい部分がないか確認しましょう。
正しくデータを収集できているか確認する
アクセス解析を行う前に、正確なデータを収集できる環境を整える必要があります。不正確なデータが計測されてしまうとアクセス解析の質が落ちてしまい、適切な施策は実施できないでしょう。
例えば、Googleアナリティクスで二重計測になってしまうと、実際のPV数やイベント数よりも多く計測されてしまい、ユーザー行動が正しく計測できなくなってしまいます。これは担当者の変更などによって起こる可能性があるため、GoogleChromeの拡張機能として提供されている「Tag Assistant」などのツールを用いて管理するのがおすすめです。
また、自社スタッフのアクセスがカウントに含まれていたり、ひとつのコンテンツが複数URLで分散されて集計されたりする可能性も考えられます。このような状況では正確なデータ収集・分析が行えないため、細かな設定を行ってデータ収集に適した環境を整備しましょう。
サイト全体のPV数やCV数を確認する
データの正確性が確認できたら、実際にWebサイト全体のPV数やCV数などのデータを確認しましょう。このとき、月別・週別・日別の順に期間単位で見ていくことがポイントです。
なお、PV数やCV数のほかに、以下の指標もチェックすると良いでしょう。
- ユーザー数
- 訪問回数
- エンゲージメント率
- 新規率
- 平均閲覧ページ数
- 平均滞在時間
上記のような指標を一定期間モニタリングすることで、自サイトの通常の状態を知ることができます。
ユーザーの特性について把握する
次は、ユーザーの特性について調べていきます。ユーザーの特性について調べるには、流入経路と使用デバイスを確認します。
流入経路とは、サイトを訪問するきっかけとなるものです。自サイトに訪問したユーザーが自然検索から流入しているのか、またSNSや広告経由なのかを知ることが重要となります。
利用デバイスを確認する際は、パソコン・スマートフォン・タブレットなどデバイスごとのコンバージョン率を確認すると良いでしょう。
例えば、パソコンとスマホで比較したときに、スマホの方が極端にコンバージョン率が低い場合は、スマホ向けのUIへと改善する必要があると考えられます。
このように、ユーザーの特性を把握することで、サイトを最適化する際の参考にすることができます。
どのようなページが見られているかを確認する
どのようなページがよく閲覧されているかを調べることも欠かせません。
閲覧者の多いページは、少ない負担でコンバージョンの改善が見込めます。よく閲覧されているページから、コンバージョンにつなげられるように改善することで、短期間で大きな効果を得ることが可能です。
目標を設定する
Webサイトの目的に合わせて、KGIとKPIを設定しましょう。KGIとは、ビジネスなどにおける最終目標のことで、KPIはその目標を達成させるために必要な指標を指します。
例えばKGIが「認知度の向上」である場合、PV数やUU数をKPIとして設定すると良いでしょう。具体的な数値をKPI・KGIに設定することで、目標と現状の間にあるギャップを客観的に把握することができます。
定期的にデータの収集・分析を行う
アクセス解析は、定期的にデータを収集することで本領を発揮します。定期的かつ継続的なデータ収集と分析を行うことで、実施した施策の効果を評価し、次の改善点を明確にすることが可能です。
できれば毎日行って、数値の動きや傾向を把握するようにしましょう。Excelなどを利用してデータを蓄積したり、自動レポーティング機能のあるツールを用いたりすることで、後の分析に役立てられます。
アクセス解析でサイト改善を行うポイント
アクセス解析でサイト改善を行う際のポイントは、PDCAサイクルを回すことです。継続的にPDCAサイクルを回していくことで、サイトの改善や成長につなげることができます。
PDCAとは、 「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(測定・評価)」「Action(対策・改善)」の4つの頭文字をとった略語で、業務効率の改善などに用いられるフレームワークです。具体的には、以下のような流れで進めていきます。
- Plan(計画):目標を設定したら現状の分析を行い、改善計画を立てる。
- Do(実行):計画をもとに施策を実施する。
- Check(測定・評価):施策の効果を測定し、目標の達成度を評価する。
- Action(対策・改善):評価の結果をもとに改善点を見つけ出し、次の改善策を計画する。
PDCAサイクルを繰り返し行い、Webサイトの質を向上させましょう。
まとめ
本記事では、アクセス解析ツールを使ったサイト改善の進め方について解説しました。アクセス解析を成功させるには、正確なデータを収集・分析することが大切です。データをもとに試行錯誤を繰り返し、Webサイトの改善につなげていきましょう。