2015.09.07 システム
「マルチドメインSSL証明書」と「SNI SSL」の違い
システムエンジニアの大貫です。
今回は「マルチドメインSSL証明書」と「SNI SSL」の違いについて触れたいと思います。
弊社がよく利用する「さくらインターネット」のレンタルサーバでも、2015年2月より
「SNI SSL」というサービスが始まり、共用サーバでも独自ドメインのSSLが使えるように
なりました。
通常、SSL証明書は、1つのIPに対して、1つの証明書しか設定することが出来ません。
そこで登場したのが、「マルチドメインSSL証明書」です。
SSL証明書購入時に、複数のホスト名を申請し、購入することで、
SSL証明書の「Subject Alternative Names(SAN)」の部分
…つまりは「サブジェクトの別名」の部分に
申請された複数のホスト名が登録されます。
これをサーバに設置すると、1つのSSL証明書で申請した複数のホスト名を証明することが出来ます。
ただし、サーバで運用するホスト名が追加、変更、削除される度に、証明書を作りなおさなくてはならないため、レンタルサーバなど不特定多数の複数のドメインを運用している場合は、実運用は現実的ではありませんでした。
そこで、2003年6月、RFC 3546「TLS拡張仕様」で追加された
「Server Name Indication(SNI)」…つまりは「サーバ名表示」の
機能を利用して、ホスト名毎に別々のSSL証明書を設置することが出来るようになりました。
これが、さくらインターネットでも使用できるようになった「SNI SSL」です。
これによって、共用サーバでも独自ドメインのSSLが導入できるようになりましたが、
古くからある技術ではありませんので、ブラウザやOSの制約を受けて、アクセス出来ない
ブラウザ(OS)も存在します。
不特定多数のユーザがアクセスできるのがWebですので、サポートが終了したOSの「WindowsXP」や
「ガラケー」などでアクセスしてくるユーザについて、排除しても問題ないか、というデメリットは
ありますが、安いレンタルサーバでSSLが導入できるというメリットもありますので、
お客様とご相談しながら、ご提案していきたいと思います。
【SNIに対応したOS/ブラウザ】
Internet Explorer7 (Windows Vista)以降 ※WindowsXpは非対応
Mozilla Firefox 2.0 以降
Google Chrome 6 以降
Safari 3.0 以降
iOS 4以降の MobileSafari
Android Honeycomb 3以降
Windows Phone 7以降