インソースマーケティングデザイン
2021.11.26 その他
3人の偉人から学ぶマーケティング成功のヒント
VUCA時代とも言われる昨今、企業間の生き残り競争は以前にも増して熾烈になっています。
ただやみくもに頑張るだけでは沢山のプレイヤーがひしめく中で勝ち残って顧客から選ばれることはありません。
世間のニーズを上手く察知し、自社の経営資源を駆使して競合他社を上回るプロダクトやサービスを生み出していく必要があります。
そこで今回は、3名の偉人をご紹介するともに彼らの言葉や戦略論からマーケティングに役立つヒントをピックアップしたいと思います。
目次
孫武 ~兵法書「孫子」の著者であり天才軍略家
孫武は紀元前500年頃の古代中国にあった「呉」という国で将軍を務めた人物で「孫子」はその孫武が書いた全13編の兵法書です。
三国志の曹操や武田信玄、ナポレオンといった歴史上の偉人からビル・ゲイツ、孫正義といった名経営者も愛読していたことで有名です
ちなみに、「孫子」は「孫先生」又は「孫師匠」という意味で、古代中国の書物でよく出てくる「子(先生・師匠)曰く」の「子」と同じです。
以下、孫子の中でもよく知られている有名な言葉をいくつかご紹介します。
「彼れを知り己を知らば、百戦して殆うからず」・・・敵の実状を知り、己の実状を知って入れば、百回戦っても破れることがない
「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」・・・戦わずして相手に勝つというのが、最善の方策である。
「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦い、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む」・・・勝利する軍は勝利が確定してから戦い、敗北する軍は戦い始めてから勝利を追い求める。
「善く戦う者は、先ず勝つ可からざるを為して、以って敵の勝つ可きを待つ」・・・上手く戦う者は、まず敵が勝つ可能性を無くし、その上で、敵に勝てる機会を待つ。
「凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以って勝つ」・・・戦いとは、正攻法を用いて敵と対峙し、奇策を巡らせて勝つのである
「実を避けて虚を撃つ」・・・敵の守りが強い「実」の部分を避けて守りの薄い「虚」の部分を攻める
孫子には数多くの極意が載っていますが、特に「調査・準備の大切さ」や「弱点や隙を突く」の重要性に言及した言葉が多くなっています。
ビジネスにおけるマーケティングにおいても大切な視点ですね。
フレデリック・ランチェスター ~ビジネスにも応用できる科学的数理モデルの提唱者
フレデリック・ランチェスターは1868年生まれのイギリス人技術者で航空工学の研究を進める中で「ランチェスターの法則」という数理モデルを発表しました。
この法則は2つあり、第二次世界大戦時の連合国軍側の作戦立案や分析で活用されて大きな成果をあげています。
第一法則:攻撃力=兵力数×武器性能(質)
「一騎打ちの法則」とも呼ばれますが、純粋な白兵戦、一対一の戦闘を前提とすると、戦闘力が優勢な方が勝利し、勝利側の損害は劣勢の戦闘力と等しくなる。
第二法則:攻撃力=兵力数2×武器性能(質)
「集中効果の法則」とも呼ばれますが、銃砲、航空機などの武器が発達し、一人が多数に対して攻撃が可能な戦闘を前提とすると、双方の戦闘力を二乗した上で戦闘力が優勢な方が勝利する。
ちなみに、日本では、ランチェスターの法則が営業戦略やマーケティング戦略に活用されて「ランチェスター戦略」として広く知れ渡っています。
例えば第1法則により、戦力が同じであれば人数が多い側が勝つので、弱者は以下のような戦略を駆使して状況を切り抜ける必要があります。
「局地戦」…ターゲットやエリアを絞り込み、その中でナンバー1になる
「接近戦」…競合の誰よりも顧客と親密な関係を築く
「一騎打ち」…コンペに応募するなど、なるべく平等な条件で戦える状態を作る
逆に、自社の経営資源が相手よりも充実している時は、資本規模や知名度を活かしてビジネスを進めるのが得策です。
このようにランチェスター戦略を学んでおくと、時々の状況に応じて営業・マーケティングを展開できるようになると思います。
マイケル・ポーター ~世界中のMBAで読まれる「競争の戦略」の著者で競争戦略の世界的権威
マイケル・ポーターは1982年に史上最年少でハーバード大学の正教授になった経営学の大家であり、ポーターの著作「競争の戦略」は世界中の経営大学院で教科書として使われています。
特に、「競争の戦略」の中にある「ファイブ・フォース分析」と「3つの基本戦略」が有名でよく知られています。
「ファイブ・フォース」:①新規参入、②代替品、③供給業者、④買い手、⑤競争相手の5つの競争要因を指します。
「3つの基本戦略」:①コストリーダーシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略のことです。
「競争の戦略」には、5つの競争要因それぞれについて攻守の施策を考え、コストやクオリティ、シェアでの優位を目指すことが有効であると書かれています。
商品・サービスの新規企画やテコ入れ策を考える際、ポーターの理論を学んでおくとアイデアが出やすくのではないでしょうか。
自社と競合の理解が成否を分ける
本コラムでは、時代も国も違う3名の偉人を紹介してきました。
それぞれに視点や切り口は異なるものの、自分とライバルの力関係や得意・不得意をよく理解して策を講じることが勝敗を分ける大きなポイントになることは明白だと思います。
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