インソースマーケティングデザイン
2012.10.11 Webプロモーション
話題の「式の前日」を読んでみた
先月末あたりから、ストーリーおよび絵的な表現のクオリティの高さでtwitter等で爆発的な話題をよんでいるコミック、「式の前日」を入手し読了。
辛口レビューが多く飛び交うイメージの強いtwitter等のSNS上で、これだけ高評価・絶賛される作品てそうそうないのではないでしょうか。
人気絶頂ということで、ネットオークション等でも価格は定価3倍以上に高騰している事実を目の当たりに、地元栃木県の主要な本屋さんをあたっても在庫切れの回答ばかり。
たまたま地元TSUTAYAさんで最後の1冊として店頭にあったこの商品を手に入れたわけです。
作品を読んでの感想です。
※普段コミックをほとんど読まない個人的な感想ですのでご了承ください。
素直におもしろかったです。
そして、泣ける泣けないは個人差があると思います。
私は泣くことはなかったものの、心がぎゅっと感じるような底はかとない切なさを抱きました。
●構成・ストーリー
6つの短編が1冊にまとまっています。
ストーリーの材料になっているのは、見逃しそうな日常のちいさな断片であるにもかかわらず、不思議と時間という概念を越えた世界観を感じるものでした。
それはおそらく言葉や目に見えるカタチとしてはないけれど、人なら誰もが抱くであろう人と人との「心の会話・接触・摩擦」…そういった要素がストーリー全体にちりばめられているからに違いない。
だから多くの人の心にうったえかける力があるのではないでしょうか。
日常の何気ないシーン、しかし読み進めるうちに、固定観念で入り込んだ読者の予想を切ないかたちで裏切り、結果的にこの小さな日常の深い世界観にすいこまれる感覚におそわれます。
●表現
作家の穂積さんの表現には、オリジナリティ以上に読み手の心をすっかり引き込んでコントロールしてしまうような、 優しくも強い力を感じました。
言葉の表現では、主人公が無言である瞬間の言葉なき言葉に
絵的な表現では、主人公やその空間をつつみこむ光や闇の描き方に
私は個人的に感動しました。
目に見えない人と人との心の距離感をこんなにも表現できるものなのだろうかと驚きでもあります。
●トータル
1度読み終えた直後に、あらためて読み返したくなる作品。
そして1度目以上に、2度目に読んだ方がこみあげるものがある。
その理由は読んだ方ならお分かりになると思います。
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<最後にWebプロモーション観点でコメント>
twitterであまりに高い評価で話題の、この「式の前日」(フラワーコミック)。
この事実からもSNSで話題にとりあげられた際の拡散威力は相当なものと思い知ります。
Webの仕事をしていて、多くのお客様からSNSの効果的な利用について問われます。
もちろんユーザー行動をしっかりおさえた上での戦略的なSNSでの活動は有効です。
しかし、商品のジャンルにかかわらず重要なことは、
ユーザーがつい誰かに教えたくなってしまうような力を持っていることです。
社内のプランナーからよく耳にしますが、
次のいずれかの要素をもちあわせている商品こそ、シェア拡散の波に乗せることができる可能性が高いです。
「神」・・・神の領域にたっするほどのスゴいもの
「ばか」・・・痛いほどおバカすぎて度をこえたもの
「萌え」・・・萌え系
そしてこれらに加えて今の時代だからこその要素として
「共感(感動)」・・・泣ける・感動・自分と重ねて心が動くもの
「健康」・・・TV番組のテーマでも多い健康ネタもの
売りたい商品が有る場合、まずは上記のどのポイントからユーザーの心にインパクトを与えるか?
あらためて商品のプロフィールをさぐってみるとよいと思います。
★関連リンク
・Amazon.co.jp: 式の前日 (フラワーコミックス): 穂積: 本
・NEVERまとめ|twitterで絶賛の嵐。新人作家の作品「式の前日」がスゴイ